ケース1
40代 女性
来院2016年4月
友人の紹介ということで来院される。この2年で6回ものぎっくり腰で会社を今後どうしようか、と考えていると仰る。というのも職場での作業が非常に身体に負担がかかり、腰に綱に不安がつきまとうと説明。
治療と経過
歩行時には立脚期での十分な脚部の伸展が見られず、膝を曲げながら歩いている不自然な状態が観察された。腰部への不安と同時に、脚部(特にハム、大腿前部)に緊張と拘縮が見られる。したがって、包括的に対応するため、腰部、臀部、大腿部の柔軟性回復と、固有受容器改善を図る。こちらとしては過去2年で6回ものぎっくり腰を経験されているということで、中長期的3ヶ月—6ヶ月と考えていたものの、初回終了後から、身体が軽くなった、等の効果が見られる。7回目終了時には、痛みも消失し、勤務中もより快適に動けるようになったと言われる。現在はメンテナンスとして月1−2回の通院で、現在の体調維持に努める。
考察
典型的なぎっくり腰による症状。背部、腰部全体(特に左側)に強い拘縮が残り慢性化。またハムストリング等の脚部も作業の影響からか伸展が十分でなく、常に膝関節の十分な可動域が得られぬまま日常の動作を行い、結果更に腰部からの炎症を悪化させていた。当初から現状のお体の十分な理解とすべきではない習慣、動きを徹底しながらの通院で劇的に改善。
ケース2
80代 女性
来院 2016年8月
右腰がお尻、腿の表と脇に強いしびれがあり、歩くこともままならないと言われ来院される。
治療と経過
歩行時に前傾姿勢と、股関節、背部周辺の拘縮が見られる。
初回時に8回から10回以上の通院が必要とお伝えする。あまりのしびれと痛みの為、初回では本人も疑心暗鬼であったが、回を重ねるごとに痛みが減ってきているとの報告を頂く。6回目通院時にはほぼ痛みが消失したとの旨受ける。しかし、その後の突然の荷物を背負っての長距離歩行で再度、足のしびれを訴えるものの、10回通院後には姿勢の前傾も、痛みも消失し、本人も非常に満足な結果と喜んでいる。その後はその状態の維持の為、定期的に通院。
治療法
PIR
Therapeutic exercises
Passive stretch
考察
背部の強い拘縮と日頃の生活環境での誤った姿勢や運動動作により、足のしびれを招く。これらの原因を把握し、一から指導することにより改善された。何より、ご本人様のはつらつとした動きが改善を物語る。
ケース3
女性40代 バレエダンサー
来院2015年11月
左足、尻のしびれを訴え来院。運転中にしびれがあり、バレエやフラダンスでも同様の症状がたまに見られると仰る。以前にぎっくり腰を2度ほど発症もされたと伺う。
治療と経過
運転時の痛みしびれということで、腸腰筋の拘縮、そして大臀、中臀筋等の筋力左右差を疑う。実際、左右で腸腰筋の柔軟性の違いや,腰方形筋、大腿筋膜張筋の左右差を見る。また両足外反母趾も確認。
ただ、初回施術終了後から、運転中のしびれが随分軽減されたと聞く。その後も回を重ねるごとに改善し、3回目の施術終了後にはほぼ痛み、しびれが常にゼロとの報告を受ける。その後は状態維持の為に10回ほど通院。現在はメンテナンスとしてお越しになられる。
改善法
PIR
Therapeutic exercise(camel cat, balance disk training, one leg exercises,etc)
他に改善した箇所
肩痛
考察
足元の不安定からくる(外反母趾含む)内旋気味の動きが、姿勢とダンス、その他生活に影響を与えていたと考える。その為、股関節内外旋位の左右坂以前や、バランス力(固有受容器)の改善、ご自身で行なっていたストレッチの再確認と指導で、根本から包括的にコンディションを変えた例である。
ケース4
男性 運転手40代
来院2015年 6月
少年野球時代からの右腰痛が改善せず、様々な治療院を訪れるものの、改善しないまま、慢性化したと言われる。
治療と経過
初回来院時から、施術後の変化を実感して頂く。5回目来院時には
勤務時の痛みをだいぶ取れ、快適との報告を受ける。現在は月に1回のメンテナンスか、疲労が蓄積した場合は2回の通院。痛みが完全消失時には運動療法を加え、可動域と筋力の改善を加える。
治療法
PIR
Therapeutic exercises
Passive stretch
考察
急性腰痛の慢性化で、本来であれば、腰部周辺(脊柱起立筋群、腰方形筋等)の弛緩が十分であれば、防げた印象。適確なケアと、施術以外の時間のインストラクションが非常に重要と改めて認識する。
ケース5
60代男性
来院2016年 1月
左腰、左尻から下の痛み、しびれが強くあり(腰、膝、もも裏)、起き上がった時、特にその症状がでて、痛くて、強くこわばり大変と仰る。また最近は左への身体の傾きをご自身で感じると説明。
仕事が運転手で長時間座り、それもあるのでは、と話して頂く。慢性化しており、すでにいろんな所にいっても良くならず、電気等で温めるだけで、効果がないと嘆いておられた。
治療と経過
左半身全体(頸部、背部、臀部、脚)と強い拘縮がみられる。左側への偏りが強いので、話を更に伺うと、勤務中に行なう配送の仕方が一定のフォームで長い間固定されており、その影響が強いことを初回時より指摘。
初回時からご指導した運動療法を実践して頂きながら、筋の柔軟性回復と、左右バランスの改善に注力する。
7回目頃には大幅な改善が見られ、ご本人も、これまであった強いこわばりがようやく消えてきた、と喜ぶ。回数を重ねるごとに指導した運動療法もしっかり行なって頂いているようで、左右差のない上肢と下肢のバランスが様々なチェックで確認できるようになった。11回目には左側のこわばりもほぼ無くなったと仰られた。
治療法
Manual contact
PIR
Therapeutic exercise(camel cat, LB stretch w/kneeling,etc)
Passive stretch
考察
典型的な職業によるお体の歪みというのであろうか。右半身、左半身で筋の柔軟性と強さに左右差が非常に大きく、動きに原因があることをすぐに確認できたことがポイント。ご本人様の自宅や職場での地道な運動療法の実践も寄与し、ハードな労働環境の中でも大きな改善となった。