ケース1
来院2016年7月
3、4年前から右膝に痛みが出始め、様々な治療院に通う。また病院では昨年変形性膝関節症と診断される。ヒアルロン酸注射で一旦状態がよくなったものの、昨年から両膝(特に左膝)に痛みが出始める。本人曰く、非常にアクティブで、小学生を相手にする仕事もあって、なるべくいつまでも動ける状態でいたいと仰っていた。また、こむら返りも頻繁にあると聞く。
問診
歩行時に第一指の機能がうまくいかない。外反母趾を両足に認める。
左外側側副靱帯、左膝膝蓋靱帯、膝の内側部(鵞足)に炎症が見られる。
治療内容と経過
バランステストで固有受容器の改善が必要と認識。また大腿四頭筋の弛緩が特に必要と認識。
5回目の通院で痛みが半減との感想。8回目の通院ではほぼ痛みが消えたと仰られ、歩行が非常にスムーズになった。また、正座もできるようになったと喜んでいらっしゃった。現在も良好な状態のキープのため、月2回の来院。
使用した治療法
Passive stretch
PIR,PFS
Therapeutic exercise
考察
2度目の通院の頃には変化を大変実感されているようでこちらも嬉しくなった。
外反母趾や動きのポイントを患者本人が理解できていることが大きい。自宅での運動療法の指導をしっかり適確にされていることにより、当院との相乗効果が顕著に見られる例である。
ケース2
女性40代 会社員
来院 2015年11月
半年前に膝内側に強い痛み訴え、ヒアルロン酸注射等の治療を受けるも全く改善しないということで来院。ご本人はまだ40代前半であるが、以前の別の診察で“もう年だから”と言われひどく落ち込んだとのこと。変形性膝関節症と診断され、職場の階段の上り下りや、その他、荷物の持ち運び含む重筋作業にも支障が出ていると言われた。腰痛もある、とも仰られた。
治療と経過
初回時に左膝、大腿骨含む強い内旋を確認。また膝関節も伸展が十分でなく、姿勢の前傾も見られる。2回目来院の際には、痛みが既に半減しているとのご報告。その後も強い拘縮のある左股関節、大腿前部等の改善に努め、ご本人様にも少しづつ可動域改善の運動療法を行なってもらう。7回目通院時には腰痛含む、左ひざの痛みが消失し、仕事も支障が無くなったと仰る。その後は月2回の間隔で通院頂き、半年後からは月1回の通院で、現在も左膝痛、腰痛ともに報告は無い。
他に改善した症状
腰痛
こむら返り
治療法
Manual contact
PIR
Therapeutic exercise(camel cat, hip jt version/balance disk,etc)
考察
歩行時の強い大腿骨内旋が根本原因であり、重いものを持っての急な動き、自宅での運動療法等で、40代にもかかわらず“年だから”、指摘された症状も改善した。今後も半永久的にお体のメンテナンスを心がければ、ご本人様の生活の質はそのまま維持できる。
ケース3
70代 女性
来院2016年8月
左ひざの痛みが数年続いており、病院での注射等の治療でも改善しないとの説明を受ける。現在でも畑仕事を続けたいと考えている。左大腿部の拘縮が強く、バランステストでも左足の不安定感を露呈する。
治療と経過
当初は歩行時に左足をかばい、右足に重心をシフトされる印象。3回目通院後から、驚くほど痛みが消え、歩行が長距離でも可能になったと報告を受ける。6回通院後にはほぼ痛みの消失。
考察
鵞足炎、膝蓋靱帯炎、そして固有受容器の改善が必要であった。非常に順調に改善し、現在は症状の予防を優先順位として考える。
ケース4
60代 女性
来院 2013年 8月来院
ひざの痛みが15年近く続いていると来院される。また、階段の上り下りも辛く、最近では趣味の水泳後に右股関節の痛みもあると嘆いていた。
治療と経過
通院後、徐々に痛みの軽減があることを仰り、5回目の通院あたりからは、右股関節の痛みがほぼ消失してるとのこと。11回目の通院でひざの痛みがほぼ消失と報告があった。並行してふくらはぎのこむら返りもいつの間にか消失したとのこと。その後もメンテナンスとして月に1度の通院。今では水性のみならず、テニスも楽しんでいると仰る。
同時に治療した項目
肘痛
治療法
PIR
Therapeutic exercises
Passive stretch
考察
腸腰筋、大腿四頭筋、の拘縮と炎症が大きく今回の症状に寄与。歩行もそれにしたがい、歩幅小さく、ご本人様の生活習慣の改善も含めたトータルケアでの改善と考えるひとつの重要例である。ご本人様が普段から健康に関心があるため、こちらでご指導する運動療法への理解と取り組み方が素晴らしい印象を持った。